二次方程式の根の公式
二次方程式
\(a x^2 + b x + c = 0, a \neq 0\) (A)
の根の公式は良く知っている。
今回は、(A)の根の公式を実数の範囲で導いてみよう。
少し考察をしてみる。\(x^2 = 4\)を満たす解を求めてみよう。この式は\(x^2 = 2^2 \)あるいは\(x^2 = (-2)^2 \)と書きなおせることから、解は\(x = 2, -2\)であるとわかる。これをまとめて、\( x = \pm 2 \)と書くことにする。
\(x^2 = 2 \)の解は、\(x^2 = (\sqrt {2}) ^2 \)あるいは\(x^2 = (-\sqrt {2}) ^2 \)であることから、\( x= \pm \sqrt{2} \)であるとわかる。
このことから、\( f(x) ^2 = h^2 \) の形であれば、\( f(x) = \pm \ h \)と書ける。さらに\( f (x) \) が\( x \)の一次式であれば\( x \)を計算する公式が得られることに気付く。
それでは、二次方程式(A) の根の公式を求めてみよう。
この式が次の形に、つまり、\( f (x) = x + k \)という一次式で書けたとしよう。
\( ( x + k )^2 = h ^2 \) (B)
この場合、すぐに、根の公式が次式で得られる。
\( x = -k \pm h \) (C)
さて、(B)を\(x \)について展開すると、
\( x^2 + 2k x + k^2 – h^2 = 0 \) (D)
となる。
この式は二次方程式(A)と同じものであるので、(A)と(D)の係数を比較して、
\( 2k = b/a \) および \( k^2 – h^2 = c/a \)
の関係式を得る。
これより、\( k \)と\( h \)を次式のとおり、\(a, b, c\)で表すことができる。
\( k = b/ (2 a) \) および \( h^2 = k^2 – c/a = b^2/(4a^2) – c /a = (b^2 – 4 a c)/ (4 a^2) \)
この関係から、\( b^2 – 4 ac \geq 0 \) という条件が付くことがわかる。
これらを(C)に代入することで、
\( x = -b/(2a) \pm \sqrt{ ( b^2 – 4 ac )/ (4 a^2) } \)
というよく知られた根の公式を得る。
以上のことから、「こうあるべきである」という目標を描き、それが与えられたものとどのような関係にあるかを検討することで、根の公式が簡単に得られることがわかる。
つまり、重要なことは、「こうあるべきである」ということをいかに表現できるかということである。
通常、根の公式の導出は式の変形が複雑であるが、「こうあるべきだ」がわかれば、その形からスタートすることで簡単にゴールにたどりつけることが今回の例で理解できるであろう。
こんどは、もっと直感的な方法を使ってみよう。
二次方程式は2個の根をもつ。そこで、それらを\( \alpha \) と \( \beta \) とする。
すると二次方程式の解 \( x \) は、
\( x = (1/2) ( \alpha + \beta ) + (1/2) ( \alpha – \beta ) \) (E)
と書ける。
根と係数には、
\( \alpha + \beta = – b /a \) (F)
\( \alpha \beta = c/a \) (G)
なる関係がある。
また、
\( ( \alpha – \beta ) ^2 = ( \alpha + \beta ) ^2 – 4 \alpha \beta \) (H)
つまり、
\( ( \alpha – \beta ) = \pm \sqrt{ (- b/ a)^2 – 4 c/a } \) (I)
という関係式を作ることができる。
二次方程式の解は(E)の形をしていることから、(F)と(I)を代入してやると、
\( x = (1/2) ( – b/a ) \pm (1/2) \sqrt{ (b^2- 4 ac) /a^2 } \)
となり、解の公式を得る。
このことから、\( \alpha + \beta \) は 二次方程式の係数の割り算で計算できる範囲にとどまるが、\( \alpha – \beta \) は \( \sqrt{ * }\)を使わないと計算できないという事態を引きおこす原因であることがわかる。
では、応用をしてみよう。
いま、
\( y – x = 3 \) (J)
\( x y = 40 \) (K)
を満たす\( x, y \) を求めることを考えてみよう。
まず、次式を使う。
\( ( y- x )^2 = ( x + y )^2 -4 x y \)
この式の右辺に (J)と(K) を代入すると、
\( ( x + y )^2 = 169 \)
つまり、
\( x + y = 13 \) (L)
であることがわかる。
ここでは根と係数の関係を使ってみると、(L)と(K)から、
次の方程式の根が\( x, y \) であることになる。
\( X^2 – 13 X + 40 =0 \)
これは因数分解できて、
\( ( X – 5 ) ( X- 8 ) =0 \)
大きい方の\( X \)が \( y \)、小さいほうの\( X \)が\( x \)であるので、
\( y = 8, x = 5 \)
と求まる。
二次方程式のメカニズムがわかると、いろいろな方法を試せるようになる。
